Column
空気と換気のコラム
トルネックス技術部
1.フィルタって何?
2015/07/16
今回のコラムでは、住宅の換気装置で使われているフィルタについて、違いや特長などについてお話しをさせていただきます。
はじめにフィルタというものを全くご存じない方のために簡単にご説明させていただくと、フィルタというのは、空気や水などに含まれているほこりやゴミ、不純物などをこしとるために使われるものです。
このコラムでは水ではなくて空気清浄用のフィルタにテーマを絞らせていただきますが、フィルタはみなさんのご家庭の空気清浄機やエアコンとかにも入っていますし、住宅の外気を取り入れる部分などにも入っていてとても身近なものです。フィルタの掃除とか交換のために、実際に取り出してごらんになった方はお気づきになっているかと思いますが、それぞれ形や材質、構造が違っていますよね。すごく薄くて網の目状になったものとか、スポンジみたいなものとか、布みたいなものを三角に織り込んでいるものとか。
「フィルタの使われ方」
エアコンとか空気清浄機の場合、はじめに空気が吸い込まれるところについているフィルタは、反対側が見えるようなとても目が粗くて網のようなフィルタがついています。これをプレフィルタといいます。プレフィルタは、綿ぼこりとか髪の毛とか虫とか目に見えるくらい大きなほこりを取り除くためのものです。プレフィルタの風下側についているのがメインフィルタです。メインフィルタでは、人の目でやっと見えるようなほこりから肉眼では見えないようなとても小さなほこり※1を取ります。こちらが機器としてのほこりを取る性能を左右します。
※1 人の目で見えるのは一般的には100分の1mmくらいの大きさです。
メインフィルタともなれば、反対側が透けて見えるわけでもなく、たいていしっかりとした布みたいなもので出来ていますから、いかにも小さなほこりまで取れそうで、一見どれも同じような性能に思えるかもしれません。でも本当はとても大きな違いがあるのです。目に見えないほこりとひと言でいっても、花粉よりちょっと小さいくらいのものから、たばこやお線香から出ている煙くらいの大きさまで、100倍くらい大きさの違いがあります※2。
※2 花粉の一般的な大きさはだいたい100分の3mm程度で、たばこの煙は10000分の1mm程度です。
これくらい大きさが違うと、ひとつの種類のフィルタでどんな状況にも対応するのはとても難しいことです。ですから普通はとりたいホコリの大きさとか、ほこりの量はどれくらいかとか、どれくらい長持ちさせたいのかによって、使われるメインフィルタの種類は変わってきます。
次回のコラムでは、フィルタにはどんな種類があるのかについてお話しをさせていただきたいと思います。
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