Column
空気と換気のコラム
トルネックス技術部
3.外気の取り入れに使うフィルタに必要なこと
2016/02/02
みなさんは外の空気はきれいだ思われているでしょう。ですが黄砂、PM2.5など目に見えないくらい小さい粉塵で意外と外の空気も汚れている上、土ぼこりや花粉、種子、虫などなどかなり大きなホコリも多いのです。住宅用24時間換気システムというのは文字通り24時間365日連続稼働しているので、フィルタを通る空気の総量はとても多く、フィルタへの負荷は一般の空気清浄機と比べても非常に大きなものになります。
これまでは虫とかせいぜい花粉とかがとれれば良い程度のフィルタが大半だったのですが、PM2.5のようなとても小さな粉塵がクローズアップされてきた昨今、HEPAフィルタやそれに近い能力の高性能フィルタが必要になってきています。
でも高性能なフィルタを住宅の外気取り入れで使うと、上記のような理由からすぐにフィルタが目詰まりしてしまうのです。目詰まりすると当然空気が通りにくくなります。住宅には換気が必要であることはご存知かと思いますが、それらの高性能フィルタは換気風量が低下してしまうのです。必要な換気風量を確保することが第一であって、フィルタを付けることによって換気風量の低下につながってしまっては本末転倒です。
「大きなホコリから小さなホコリまで外から入ってくるホコリをどれだけ除去できるか」、「使っていくうちに目詰まりによって換気風量が低下してしまわないか」、この2点の両立が外気の取り入れに使うフィルタにとって重要なポイントだと思います。
「電子式集塵フィルタ」
HEPAフィルタなどの高性能なフィルタが外気取り入れには適していないとすると、ホコリを除去する能力と換気風量が低下しないという2つの条件を満たせるフィルタってなにがあるの?ということになります。
住宅用としてはあまり知られていないのですが、業務用やビル空調用などで使われている電子式集塵フィルタというものがあるのです。電子式集塵フィルタは、HEPAフィルタなどのフィルタとはほこりを取る仕組みが異なっています。空気の入り口側に細いワイヤーが張っていて、空気の出口側には薄い板が数ミリ間隔で並んでいて、一見するとこれがフィルタ?と思われるようなものです。
入り口側のワイヤーには電圧がかかっていて、通過するほこりを強制的に帯電させます。出口側の薄い板にも電圧がかかっていて、帯電したほこりが板に吸い付けられるという仕組みです。ちょうどこすった下敷きにホコリが吸着するのと全く同じ静電気のちからを利用しています。
PM2.5はもとよりたばこの煙くらいのごく微小なほこりも取ることができるうえ、他のフィルタとくらべて圧倒的に空気が通りやすく目詰まりしにくいという特長があります。まさに外気取り入れに適した性能を持っていて、当社の外気清浄機はこの電子式集塵フィルタを搭載しているのです。
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